モスと猫

モスバーガーが好きである。週1で通っている。出張やらなんやらで行けない日が続くとソワソワし、「これが終わったらモスバーガーに行けるんだ」と、気が進まない仕事に立ち向かうモチベーションを与えてもらっている。

私はもともとケチである。基本的に、朝9時ごろには入店し、朝モスしか頼まない。通常のセットメニューに手を出すことはほとんどない。

バーガーとドリンクで満たされ、ポテトを食べると少し胃もたれするくらい私はあまり胃がたくましくないのだ。量もちょうどいいし、ケチな私にとって、値段もお手頃。朝モス万歳である。

朝モスを堪能した後は、たいていPCを開き、ちょっとした仕事をこなす。いつもお世話になっているお店では、サンバとかボサノバとか、小躍りしたくなるジャンルの曲が流れていることが多い。急にモスを食べながら踊る客は迷惑かもしれないので、踊ったりはしない。音量もちょうどよい。あれこれ色々気になりがちな私にとって、とても集中できる空間だ。

唯一モスバーガーに不満があるとすれば、猫がいないことである。家で仕事をしていれば、ハチワレの黒白と、長毛のフワフワが温かい場所を求めて仕事場にやってくる。何かが行き詰まった時にふと横を見ると、白目をむいてすやすや眠るハチワレや、ものすごい寝癖をつけた寝ぼけ眼のフワフワがいて、大変癒される。モスにも猫がいたらいいのに。

もしも、モスに猫がいたらどうなるのだろう。ポテトをせがまれ、パテを食べられ、チキンを食い逃げされるのだろうか。玉ねぎを食べたら大変だから、メニューから削除しないといけない。しかも、看板メニューのモスバーガーのソースには玉ねぎが使われているから、看板メニューの改変も行わなければならない。株主総会で株主たちを説得しなければならない。そこまでのリスク、コストを払わないといけないのである。悔しいけれど、「モス×猫」案はボツにせざるを得ないのかもしれない。仕方がないので、モスを出たら真っ直ぐ家に帰り、ハチワレとフワフワのいる部屋で仕事をしよう。来週のモスを楽しみにしながら。

Writer:永井温子(株式会社Ridun代表取締役)

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