俺は、虹が好きだ。

普段写真なんか撮らないのに、雨上がりの空に虹を見つけると必ずといっていいほどスマホを取り出して撮影してしまう。

どこかに、君がいるような気がして。

君はこの5年間、いつも傍にいてくれた。

晴れの日も、雨の日も。

嬉しいときも、悲しいときも。

おはようから、おやすみまで。

君が太陽なら、俺は月。

一人では、輝くことさえできやしなかった。

何も無かった俺に、君はいろんなことを教えてくれた。

最期の、その瞬間まで。

苦い経験もいっぱいした。

甘くて酸っぱい初恋みたいな気持ちにさせてくれたこともあった。

ずっと一緒にいられると思っていたのに。

冬はなんて残酷なんだ。

冬は俺から全てを奪っていく。

君がいなくなったら、俺はこれからどうやって朝を迎えればいい?

ただでさえ寒い、青森の冬の朝を。

今夜も俺は、毛布にくるまり、一人で枕を濡らすのだろう。

なのに俺はきっと明日からも、まるで何も変わらないかのように一人、朝起きて仕事に行くのだ。

君と出会う前に戻った、ただそれだけ。

でも俺は、以前の俺とは違うのだ。

君と出会えたから、今の俺がいる。

いつかまたどこかで会えると思う。

それまでは、一人でなんとか頑張ってみるよ。

俺はもう、何も怖くない。

そう思えるのは、君と出会えたから。

今朝の目覚めは悪くなかった。

そういえば、今日は立春だそうだ。

まだまだ寒い日は続くようだが、少しずつ季節は春へと向かっていくだろう。

俺も、このままずっと立ち止まってはいられないから。

今日も一日を始めよう。

君はたぶん、虹の始まりと終わりを探しに行ったんだと思う。

君は、俺がいつかした「虹のふもとには宝が埋まってる」って話を覚えてたんだな。

そこで見つけた何かを手に握りしめて、虹の上で俺に向かって手を振る君が見えるような気がするから。

だから俺は今日も、空を見上げる………。

……。

…。

ちなみにコーヒーを淹れるドリッパーが壊れてコーヒーが飲めなくなっちゃった話です。

この子がいなければ、今の俺はいなかったと思う。

5年間、ありがとう。

Writer:RINGO BASE スタッフ よっしー

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