俺の味覚は人より劣っているという自負がある。
食に対する興味も薄かったり。
おいしいかおいしくないかぐらいはあるけど、それは好みの問題で、味覚がどうとかではないんだと思う。
そんな俺が、コーヒー淹れたりコーヒー豆を焙煎したりしてるんだから、人生何があるかわかんないですね。
何をやっても三日坊主でした。
何事も長続きしませんでした。
不器用で、生きるエネルギーも乏しかったので、何もできませんでした。
死ぬときは跡形もなく消えようと思っていたので結果オーライでした。
どこか満たされない想いでいっぱいではありました。
それでも何か生きた証は残したくて、創作に打ち込んでみたりしたこともあったのですが
自分には全く向いていませんでした。
想像力というものが欠落している自分には。
そもそも俺は何かをしたかったんじゃなくて、何かをしてる人になりたかったんだと思う。
ギタリストでも、漫画家でも。
とにかく何者かになりたかった。
何かを持ってる誰かに憧れた。
自分が空っぽだったから。
いくら誰かのマネをしてみたところで、自分は自分なんで。
誰かになれるわけではない。
それに気づいたら、別に無理しなくてよくなりました。
不器用で、特殊なことはなんもできないけど
とりあえず今やれそうなことを自分のやれる範囲で頑張る。
それぐらいしか俺にはできません。
でもそれぐらいなら俺にもできる。
メメントモリはそんな俺が作ってるコーヒーです。
めっちゃおいしいコーヒーが飲みたければ
味覚が優れてる人が作ってて、品質も安定してる、そんなコーヒーが他にいくらでもありますのでそちらをどうぞ。
メメントモリは、安定もしてないし、優れてもいません。
でも俺が頑張って作ってます。
夏なんかは暑さとの闘いで、命を削るようにしながら焙煎してます。
理不尽と仲良くし、無念を愛するコーヒー。
俺の生きた証です。
俺は俺のコーヒーをやります。
誰に言われるでもなく、誰になりたいわけでもなく、自分がやりたいからやるだけです。
なるべくたくさんの人が美味しく飲めるように、日々改良を重ねてます。
あたたかくなってきて、そろそろアイスコーヒーも飲みたくなってきました。
ホットでもアイスでも美味しいメメントモリ、よろしくお願いします。
Writer:RINGO BASE スタッフ よっしー
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