木になるりんごってなかなか見る機会がないんだよなぁ

「りんごがこんな風に木になっているのを初めて見ました。」

スズキくんは楽しそうに言っていました。

私がりんごが木になっているのをちゃんと見たのは、この記事を書いている2022年から遡ること3年。その時は、りんごがどんな風にできるのか、どんな品種があるのか、りんご畑ってどんな場所なのか、まったく予想していませんでした。

だいぶ大きくなってきたりんごたち

学生時代、5年間も青森にいたのに、一度もりんご畑に足を踏み入れたことがありませんでした。おそらく、県外出身の友人たちの大半は、私と同じだったと思います。当時のりんごのイメージといえば、「アルバイトがキツイ」。その程度でした。

もったいないことをしたなぁと感じます。いざりんご畑を運営してみると、木陰や梯子の上は気持ちいいし、晴れていれば泥だらけになる心配も少ないし、鳥の声を聞きながら食べるお弁当は美味しい。ハンモックに揺られながら、起きているのか寝ているのかわからない狭間でフワフワするのも格別なのです。

おそるおそるオバケを運転するスズキくん

雨の日は「雨だもんねー。今日は作業できないねー。しょうがないねー。」とニヤニヤしつつ、家で猫が毛づくろいをする心地よい音を聞きながらお仕事をします。畑を初めてから、雨の日がちょっと嬉しくなりました。振りすぎる雨は勘弁してほしいですが。

私はそんな日々が楽しいので、布教活動をしている次第です。

「こえー笑」と言うスズキくん

冒頭で出てきたスズキくんは東日本を旅していた東京に住む大学生で、急遽半日だけ畑でアルバイトをしてもらいました。

「貴重な体験ができました。ありがとうございました。」と、人たらしな笑顔で言うスズキくん。

ガタイがよく、相手に警戒心をいだかせないコミュ力を持ち、半日でノコギリのコツをつかんでいた彼は、りんご畑という場所をどんな風に感じたのでしょうか。

また会う日があれば、その時に聞いてみたいなと思いました。

Writer:永井温子(株式会社Ridun代表取締役)

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