コミュニケーションとわたし

NHKの東北ブロックの番組審議委員となり、2年が経過した。毎月1度、夫と猫二匹に家のお留守番をお願いし、仙台へ行っている。

 

委員になりませんかとお誘いいただいた際、「肩書きも実績もない自分でもいいのかしら」と引け目を感じたし、今でもその気持ちは残っているけど、どうやら一定の役割は果たせているらしい。そう思いたい。

 

いろんな立場、肩書きの方がいて、それぞれの視点から出てくる言葉が面白く、いつもとても勉強させていただいている。

 

NHKがどんな狙いで番組を制作しているかを知るのもとても興味深いし、物事を構造的に見る訓練をいつもさせていただいている感じがしている。

 

20〜30人規模の会議であるが、私はこの規模感が一番苦手である。顔が見えるのが無理なのだ。いっそ200人くらいいるとあまり気にならなくなる。一番苦手な雰囲気であるため、毎回5分程度話すのですらとても苦労する。

 

アドリブが効かないので、カンペは完璧に用意するが、それでも緊張するために声が震えてしまう。インフルエンザが流行っていたらしいので前回はマスクをして臨んだが、マスクなしだと顔が真っ赤になってしまいそれも気になってくる。

 

「どうにかせねば。」という思考で頭がいっぱいになり、まともに話せなくなりつつも、なんとか最後まで辿り着く。これは、小学生の時から変わっていない。そしてこれからも、きっと変わらない。

 

私は、コミュニケーションが苦手だ。全然外交的ではない。落ち着いて見えると言われるが、それは緊張のあまり体がこわばっているだけである。きっと治らないんだろうなとは思いつつも、いつの間にか治っていてくれないかなという希望を捨てられずにいる。

 

飲み会などでも、3人以上になると急に話がグダグダになる。機転が効かないのだ。

 

のんびりとした思考の中で過ごす時間も好きではあるが、回転の速い脳みそが求められることもあるし、自分自身そういう時にうまく答えたい欲求もあるので、鍛えられるものなら鍛えてみたい気持ちもある。

 

これを書いている今も、苦手なくせに、講演会であるとか、発表みたいなのをいくつか引き受けているため、そろそろ重い腰を上げ、準備をし始めなくてはいけない。断ることも苦手なのだ。しょうがないから、カンペを完璧にすることにする。あとは、もう何度も調べたけど、声が震えたり、顔が赤くなったりした時の対処法も確認してみようと思う。

Writer:永井温子(株式会社Ridun代表取締役)

PAGE TOP