一同
あぁー。
シャッチョ
「おささる」とか。
オヤマダさん
そう、「おささる」とかそういう。
リッチャン
だってなんか、疑われるもん。
シャッチョ
うんうん。
リッチャン
「おささる」とかその、わざとじゃなくて…。
オヤマダさん
そうそうそうそう。
リッチャン
わざとじゃなくて、みたいなことを説明をすると、なんか、「え!?」って。
オヤマダさん
そうなんだよねぇ。
リッチャン
「自分で押したんじゃない?」って。いやまぁ動作としては押してたかもしれないけど(笑)
オヤマダさん
そうそう(笑)
リッチャン
そこに自分のこう…。
オヤマダさん
意志じゃない。
リッチャン
そう、「意志が介在してないっていう意味」って言ってもなんか、ピンとこないっていう、みたいな場面もある。
オヤマダさん
そう、だから、津軽地方と北海道、あとさっきの、ね、いわゆる北東北は残ってて。言葉が残ってるってことは、そういう考え方が残ってるってことだから。
一同
うんうん。
オヤマダさん
だからわんどはけっこうね、その今の、医療とか福祉とかに必要だとされている考え方について、わんどは最先端なわけよ。んでわぁそれを言ってるわけ、それを。あの、弘大に行って。なんかそれを話してるんだけど、みんなこっちの人じゃないんだよね、ほとんど。
アツシ
そうですねぇ。
オヤマダさん
ね。だから津軽弁自体が理解できないっていうか、その「これこれをささる」みたいな言葉遣いを、理解してもらえなくて。んでやっぱりさっきの、自死の話に戻ると、自死「した」、その人の意志によって自死「した」、だろうけど、実際は、やっぱ複合的で、これ津軽弁でいう自死「ささった」っていうのがすごいぴったりくるんだよねぇ。
アツシ
うんうんうんうん。
オヤマダさん
誰の責任でもなくてっていうのは、つまり、その複合的ですよって意味での「誰の責任でもない」っていうかさ。んでその人が意志をもってたしかにやったけど、それを、押したのは、もっと複合的だし、その責任とかの幅をどれくらい広げていくかっていうかさ。それはすごいあって。ちょー興味あるの、それに。
一同
へぇぇぇ…。
オヤマダさん
いやわぁが、なんかわぁが話してるばっかりになって申し訳ない(笑)
アツシ
いやいやいやいや(笑)
オヤマダさん
もう時間だもんねぇ。
アツシ
時間ですね…。
オヤマダさん
ありがとうございます。
アツシ
いやぁでも、すごいおもしろいお話を…。
ワーチャン
すいません、ちょっと今思い出したんですけど、 「おささる」って未然形接続だから「やってない」ってことですよね。
オヤマダさん
未然形接続って、あ、んだ、言語学やってるってしゃべってたもんね! 聞いたことあるこの話?
ワーチャン
いやなんか、中動態って話をぽそってどっかで聞いたことがあったので。でもちゃんとは覚えてなくて。「おささる」はでもよく、話とかも、してる人はいますね。
オヤマダさん
んだよねぇ。
ワーチャン
なんか「おさ」が、「押さない」の「ない」につながるからたぶん、未然形、なんですよ。
一同
へぇぇぇぇ。
リッチャン
そこに「意志」はないってこと?
ワーチャン
うん、だからたぶん、本人としては「してない」から、未然形。
オヤマダさん
うんうんうんうん。
リッチャン
本人は結果の話をしてるから、っていう感じ?
ワーチャン
そうそう。でも「さる」はたぶん「される」があるから。受動態じゃなくてたぶんそれこそ中動態なのかなって思って聞いてたんですけど。あと、北東北にあるって聞いて、これは勝手な予想してるだけなんですけど…。
オヤマダさん
うんうん。
ワーチャン
あの…。なにか見えないものが、こう、そうされるような、運命とも違うけど、糸を引いているものがあって、あの、たまたま事故が、事故的に、裏で社会的な何かに引っ張られてしまって、あの、その人がたまたま自死する人になってしまったって、そういう運命的なものがあると思って。
オヤマダさん
そうそう、そうね。
ワーチャン
なんか、そういうのを、アイヌ、とかが関係したりしないのかなぁって。
オヤマダさん
あぁーそうなんですねぇ。
ワーチャン
アイヌってなんか、神様の文化じゃないですか。あらゆるものには神が宿っていて、それでその神様たちがこう、自分たちの国に招くから、人が死ぬんだとか、そういう考え方がある。
オヤマダさん
うんうんうんうん。
ワーチャン
だからもしかしたら中動態って、サンスクリット語とかにもあるってことらしんですけど、神がいる世界の言語、の中に、中動態ってあるのかなぁって。
オヤマダさん
そうそう、まさしくそう。そこまで、今ちょっとね、宗教者なのであまり話はしなかったけど、まったくそうだと思う。だからなんかこう神みたいな存在を想像しないと、そういう中動態的な言葉って出て来てこなくて。これもだから人文の力ですよ、その、「ストーリー」をちゃんと設定するから、「ささる」っていう言葉が、出てくるので。
アツシ
ある「ストーリー」があることで、ある「言葉」が、成り立つんですね。
オヤマダさん
そう、だからこれはたぶん、なんか、津軽にいる人たちが、これを、どんどんどんどん出していかないと、出していけば、きっと救われる人がいるんですよね。ってわぁは信じてて。
アツシ
あぁー。
オヤマダさん
じゃないと、他の地域ではそういう言葉がないから。だから他の地域の人たちはおそらく「あなたのせい、わたしのせい」でやり通しているわけですよ。
アツシ
すごいですよね逆に、そんな体力どこにあるんだろうっていうか(笑)
オヤマダさん
んなんで「どっちでもないですよね」って言葉は、津軽には、あるから。そんな感じですねぇ。ちょっと、しゃべり過ぎましたね、すいません。
アツシ
いやぁなんも、ぜんぜん、ありがとうございます。
オヤマダさん
これ、ぶ、文章になるんですか?(笑)
アツシ
あ、文章にし、なり、なりま…。ちゃんとぼくが責任をもって文章にします(笑)
一同
(笑)