アツシ
　二人は聞きたいこととか、ありますか？

シャッチョ
　目的のことなんですけど。
　私もなんか、わからないなと思いながら、リンゴもやってて。結構、うーん、取材とか、話聞きたいってくる人ってその目的をすごい聞きたがるんですよね。「どうなっていきたいんですか？」みたいな。でも「ないです」って言うしかないんですけど、「特にないです」って。

リョウコさん
　うんうん。

シャッチョ
　なんでそんなにみんな、聞きたいんだろうなっていうのは、気になったりしていて。

リョウコさん　
　今の人、気忙しいっていうのか、やっぱりこう目的に向かって突っ走るってみんなそう思って、そのために努力してるんでないか、今の若い人。

シャッチョ
　そう思います。

リョウコさん
　だからやっぱりここさなんかこう目的、目標とするものがないば不安だっていうんだか。そういう感じするっけね、ここに来る人の話聞けばね。

シャッチョ
　不安か…。

リョウコさん
　「どうなるのを望んでますか？」って訊かれて、「別に考えてません」って言ったら変な顔してたね。

一同
（笑）

シャッチョ
　変な顔されますよね（笑）

アツシ
　されるんですね（笑）

シャッチョ
　うん。

アツシ
　へぇー。

リョウコさん
　生活、生きてる流れの中で緩やかにこう好きなことしていられるって、ま、幸せだってば幸せだけど、そういうのもあってもいいんでないかしらな。

シャッチョ
　はい。

リョウコさん
　必ずここに目的があって、あの、それに向かって、もう努力して一生懸命やるっていうのも、それはそれでいいかもわかんないけど…。
　自然の中で緩やかに。

アツシ
　うんうん。

リョウコさん
　まぁ生活かかってると思うけども、あんまり多く仕事、畑あんまりあっても大変だよね。

アツシ
　きっとそうだろうなって。
　たぶん、ね。

シャッチョ　
　うん。

アツシ
　広げていくこととかは、考えていなくてあまり。今の。

シャッチョ
　あそこの畑をね。

アツシ
　うん、あそこの畑をいいものに、居心地いいものに。多分僕たちだけじゃなくて、 あの畑に来てくれる人それぞれにとっても、こう、いいもの、いい場所になるようにって、思って今、やってますか？（笑）

シャッチョ
　おお急に（笑）

アツシ
　いやなんか一応（笑）

シャッチョ
　今はまず物理的にというか…。
　前の園主さんいっぱい植えたんですよね、りんごの木（笑）

一同
（笑）

シャッチョ
　多すぎるので、スプレーヤーも、すごい崖ギリギリになっちゃうんですよね。それはちょっと続けていけないなと思うんで、怖いし危ないし。
　一年目とか「あ、今回の薬かけで死ぬかもな」って思いながらやってたりして。そういう思いをシーズンで十数回とかこんなの持たないな気持ちが、っていうところもあって。
　こういう危ない形は取らないっていうのを決めてやってます。それがちゃんと整えば、そういうね、みんなにとっていい形に、なっていくかな。

アツシ
　うんうん。

シャッチョ
　ハラハラしながらやって、毎回（笑）

リョウコさん
　それこそほら、目的があって突っ走るんだば、崖でもどこでも木を植えて頑張らねばダメだけどもね…。
　みんな居心地よくっていうイメージは、ここも同じで、ここに来る人がね。私はそれが自分の仕事だと思ってるの、リーダーとして。みんなが居心地よくいられるっていうのか。誰かがトップに立ってみんな命令するんでなくって、みんなが主役、この前もしゃべったけども、みんな一人ずつが主役にならないばいい会にならないよって。

シャッチョ
　うんうんうん。

リョウコさん　
　先輩は先輩だけど、後で入った人は入った人だけど、それぞれの立場で、居心地よく居られるようにするのが私の仕事だと思ってるわけ。あとは、なんもできないけども。
　だからっての、私はこうしたいって強めに出れば、みんな嫌だし。それとなくこう、できればいいなと思ってるけど、まぁできないばできなくてもいいやと思って。

アツシ
　なんか、安心します。

一同
（笑）

アツシ
　安心します。