アツシ
だいたい、晩御飯の時とかに、あの、お酒飲みながら、あーでもないこうでもないってずっと喋ってるんですよね(笑)
二時間、三時間ぐらいかな。
シャッチョ
なる時はそのぐらいになるかもしれない(笑)
リョウコさん
へぇー! いいの!
アツシ
お互いもう、べろべろに酔っ払って…。
シャッチョ
いつの間にか「あれ、ウイスキーがない…」みたいな。
一同
(笑)
アツシ
そう、なくなってるとかあって(笑)
うん、でも、こういう、 まあ、人によって、やっぱしゃべり方とか変わるところはあるんでしょうけど、その姿勢として、今、温子さんとの間でこう、しゃべっているような感じで、いろんな人と、おしゃべりできたら、面白いだろうなって、考えていて。
リョウコさん
うん。
アツシ
なんですかね、全く同じではないですけど、なんかその、できるだけ、 話す人とか、関係のある人とは…。
ゆっくりでもいいので、その、型にはまらないような会話って言うんですかね、こう、いろんなとこに広がったりとか、飛んだりとか、するような話し方というか。まぁそれも、聞くっていうんですかね、話を聞いてれば、「あ、どうして今、自分にしゃべってくれてる人は、 このタイミングでこの言葉を使ったんだろう」って、こう、引っかかる時があって。
で、その、言葉を、こう、拾って、そこから、会話の糸口を見つけていくっていう、自分の今の会話の形というか、そういうのがあって…。
良子さんって、聞き上手ですか?
シャッチョ
あぁー。すごい聞き上手じゃないかなぁとは思う。
アツシ。
話を聞くっていうところは、強く意識してたり、考えてたりするんですか。その、良子さんが、人の話を、聞く時って。
リョウコさん
私も、それこそすみっこで引っ込んでるタイプで育ってきてるとこで、あのこうして、聞き取り、 こういうこと聞きたいと思ってこう、いろんな人から聞き取りして。そうせば、 人見知りなんだよね、やっぱり会うのも億劫で億劫で、一大決心して会うんだけども。
アツシ
うんうん。
リョウコさん
慣れ、慣れっていうのかだんだんにこう、の。
アツシ
うん。
リョウコさん
それでも、 その人によってはちょっとな、自分にとってちょっと言いたいことを言う人もあるし。そうすれば、すごく傷ついて。
「私ってほんとにこうダメなんだ」と思うけど、だんだんに開き直って、「あ、自分は感受性が強いんだ」って思って(笑)
一同
あぁー。
リョウコさん
人よりもそういう、こう、あれが強いんだと思って。これを生かしていけばいいんだ。だんだんにこう、開き直ってきて。そう思うようになって。
アツシ
うんうんうんうん。
リョウコさん
人はみんな違うんだから、その人その人によってこう、こっちでも、接し方を変えればいいんだって。そのあたりのことだんだんわかってきたっていうのか。それからスムーズになってきて。
今でもそうですよ、知らない場所に行けば人見知りするっていうのか、ちょっとこう、大儀で。
アツシ
探り探り、みたいな。
リョウコさん
うちの会のあの人みたいには行かないもんな(笑)
一同
(笑)
リョウコさん
どこに行ってももう、パパパって自分の…。
シャッチョ
あのノリで行きますもんね(笑)
リョウコさん
そうそう(笑)
アツシ
この前会った時はイタコの格好してましたもんね(笑)
リョウコさん
あぁいうのはできないと思う(笑)
でも自分が自分だと思っての。
シャッチョ
うんうん。
リョウコさん
ちょっとその辺、まあ開き直ったって言えばいいか…。それでだんだんそういう生活長くして。
サンフェスタ石川でも、あそこは物売ったことない人たちが、物売った経験初めての人ばかりだったから。お客さんに接するわけだよね。そうすれば、 みんなが好意的なわけでないし、いろんな人いるし、こっちの方でも未熟だから、ちょっとこう、変なこと言ったりしてそれがばっと返ってくるし。そうなればまた落ち込むんだけども、それでも、これが人ってこう、こうなんだって、いろんな人がいるもんだって。
あそこの販売をしながらいい経験して。
アツシ
うんうん。
リョウコさん
いろんなところ行って、東京にも何回も売りに行ってるし、横浜とかいっぱい歩いたんだけども、アメリカにも行ったの。
アツシ
そうなんですか!
リョウコさん
県産品を売りに。
シャッチョ
すごい。
リョウコさん
県の事業でシアトルに行って。十日間、言葉、言葉ぜんぜん通じないはんで、ほんとに手でこう、こういう感じで(笑)
そういう経験がすごくこう、自分にとって大きかったと思うな。あの、物を売るっていうのは難しいけども、面白いんだよね。
んで、この頃ふっと考えて、自分はこう、人間、人好きなんだべかなと思って。
アツシ
あぁー。
リョウコさん
今までは、人見知りするから、あまりこう知らない人とこう、どんと出ていく方でないと思ってたんだけども、 こうして、ここの人とか、いろんな人と接して、ここに来るお客さんとかも接して話してるうちに、「あれ、私ってほんとは人間好きなんじゃないかな」ってこの頃そう思うようになってきた。
やっと、八十過ぎて(笑)
アツシ
八十年越しの、発見ですねそれは…。
リョウコさん
でも八十過ぎてからでもそう思うっていうのは、すごいこう、ホッとするっていうんだか。 よかった、それでいいんだ、と思うんだ。
アツシ
でもそっか、そうですよね…。なんか同じような、あの…。
リョウコさん
うん。
アツシ
そういう、自分の発見、僕もあって、人付き合い苦手なんだなって思ってたんですけど。 だからその、いろんな人の話を聞く中で、 「あ、なんか普通に人としゃべるのが好きかもしれない」って、思って。
リョウコさん
うんうん。
アツシ
それってなんかこう、なんですかね。お話してると、やっぱ時々フッと、 その人にしかない、こう、ものというか…。
「あ、だから、この人はこの人なんだ」って思うようなお話とかが出てきて。それがすごく、嬉しいんですよね。なんかそういう瞬間に居合わせた時って、あ、少し…。
そんな人間のこと、他の人のこと簡単に知れるわけではない、ですけど、でもちょっとでもなんていうか、その人の奥にあるものに触れた時ってすごい感動します。それが癖になってるのかもしんない。
リョウコさん
詩人なんでない?(笑)
アツシ
いやそんなちょっと(笑)
リョウコさん
言葉もすごくこう選んで綺麗だし。
アツシ
あぁそんなありがとうございます…。
シャッチョ
(笑)
アツシ
うん、なんか、面白いっすね、言葉って、怖いところもあるんですけど。
リョウコさん
うん、んだの。