doushin_18

【Introduction】

「ナンニモシナイ」をめぐり、色々な人たちのもとを訪れて話を伺う、『失われたナンニモシナイを求めて。』というこの企画。2回目は、青森県弘前市石川にある「津軽あかつきの会」を訪れ、会長の工藤良子さんのお話を伺いました。

2023年5月4日

【登場人物】

〈たずねた人たち〉
アツシ(高橋厚史)
シャッチョ(永井温子)

〈こたえてくれた人〉
リョウコさん
(津軽あかつきの会 工藤良子さん)

【第18話】

裏のモヤモヤが楽しくて、イベントやるんだもんね。

アツシ
 やっぱ、その、自分のやったこととかを顧みることって、大事なことですかね。

 

リョウコさん
 ただただがむしゃらに前さ進んでも、やっぱり時々はこう振り返って、反省するとこあれば、改善していかないば、周りがついてこないと。
 自分一人前は楽しくてそれでいいんだけど、やっぱりこう、細かく配慮するとこもないば周りの人が困るでしょう?
 それで「この前の反省会やんねんだか?」って言ったんだけども、したっきゃ「反省することない!」って言ったはんで「あるべさいっぱい!」って(笑)

 

一同
(笑)

 

リョウコさん
 ただ、ちょっと時間なくてまだあれだけどさ…。

 

アツシ
 そうですよね、反省…。
 僕が、 何のために反省するのか、考えてみるとたぶん、自分の、自分を磨くために、自分のやったこととかを顧みているんですよ。そういう意識が強いかもしれないって、今お話聞いて思って。
 言われてみると、自分のことだけじゃないですよね、反省する動機は。その、周りの人たちへの、気遣い、配慮っていう点でも。

 

リョウコさん
 いやそれは中途半端にリーダーやってるから。一人前やってる分には、まあ、反省するにはするけど、そんなに、細かく考えなくてもな。
 ただ一応リーダーとしては、 ちゃんと反省して変えるとこ変えてかねば、周りが、困るから。
 この前もちょっと引っかかってまだちゃんと話しささってないんだけど、 獅子の人たちが、獅子終わったっけさっさと帰って行ったって、あれは困るって。あの木の下でこう一緒にご飯食べてほしいんだって、うちの会でも言う人があって。「あれはまねよの」って言うんだけど、私は、獅子は獅子やりに来てるんだから。で、まして、獅子の人たちは、その地域の子供たちを預かってきてるんだっきゃ、親来てないから。
 それ獅子終わった後に、ま、ちょっとぐらいはいいけど、そこらへんで遊ばせてもし怪我でもさせれば、 連れてきた人の責任だもの、当然、獅子終われば連れて、帰って、そこまでが、あの、連れてきた人の責任だはんで帰るの当然だと思うし。

 

アツシ
 うんうんうん。

 

リョウコさん
 で、自分たちだって、 車の心配しないで子供たちを送り迎えから道具から何やら車何台も来てる。それみんな片付けで、自分の村の集会所なんかでゆっくり飲みたいんだと思うんだよ。
 で、最初からその、木の下で一緒に飲んだり食べたりしてほしいんだばそういう条件付きで頼まないば、獅子の人にな、そうしてほしいんだっていう。それだばいいけども、急に、そして言われても、ただ頭ではたしかに理想論だけども。

 

アツシ
 うーん。

 

リョウコさん
 石川の獅子の人は何人か残って、子供たちもあの格好、あのズボンのまんまで踊ったりしてね。

 

シャッチョ
 はい、たしかにしてましたね。

 

リョウコさん
 結構親が来てての。それさあの、ほんとの地元でその辺の子供たちだからそれでいいけど、他の獅子やってくれた人たちはやっぱり、交通手段を使って来てるし、親が来てないから、連れてきた責任あるっきゃな。
 なんで、獅子やりに来てるんだはんで獅子終われば、それは帰れば帰っても仕方ないなって、思うんだけど、 その辺のこう、考え方の違いだよな。

 

シャッチョ
 最初にすり合わせができてれば。

 

リョウコさん
 最初からせば、終わったら帰らないで、あのー、桜の下でちょっと弁当食べたり飲んだりしてほしいっていう条件つけねば。で、向こうで「それだばできない」って言えば、それ、できないことだし。 急にそしてしゃべってもさ、「あれはまねよ」って言ったって、そういう人たち、獅子やる人たちなんだはんで。そういうこう認識の違いっていうんだが…。

 

アツシ
 いろんなものが、いろんなものが渦巻いていたんですね、あの公園の中で。

 

リョウコさん
 なんかあのイベントやるってばそうだよ(笑)
 そのぐらいはなんも問題でもない、一応な、こういうこともあるっていうのみんなで話して。 それに対する考え方での。
 うちの会の中でも「弁当屋になってしまって、弁当取りに来て、みんなそれ持ってさっさと帰ってく、それだば弁当屋になってしまったはんでねぇか、それは意味ないんでないか」って言う人もいて。だけど確かにの。
 花、あれば、またちょっと違うんだかもわかんないけど。今の人の食べる食生活、あれが違うんでないかと思って。あの、シートの上で広げて食べるっていうよりは、きちっとテーブルの上でお茶あって、きちっとそういう食べ方したいっていう、あれなんでないべか、と思うんだけどの。

 

アツシ
 あぁー。

 

リョウコさん
 んなんで、それなんだば一般の人さ弁当売るのやめてさ。あの、立派な屋根の下で、 なんだか、唐揚げ食べてる人たち…。

 

一同
(笑)

 

リョウコさん
 あの人たちさ販売せばいいんでないって、そんな話もあったんだけど。

 

シャッチョ
 あ、そうだったんですね。

 

リョウコさん
 あの、一般大衆にっていう考えで、今の形にしたんだけど「持って帰るだけなんだば意味がない」って。意味がないんだば、あそこの席の人たちさ弁当食べてもらうっつうこともできたかもわかんないけど。で、実際弁当食べたいって話あったんだけど、 一般の人用に五十作るほかに、三十作るっていうのは、ちょっとここの能力ではできないはんでって。

 

シャッチョ
 負担がでかいですよね。

 

リョウコさん
 したっけ、「ちょっと今の状態ではできないはんで」って言ったっけ、「うん、いいよ! ほかさ頼むはんで」ってあの人、どこの弁当もなんもない、要するにあればいいっていう(笑)
 それでまあ、いいんだけどの。ちょっとずつは変わってほしいよの。

 

アツシ
 うーん。

 

リョウコさん
 面白いでしょ、そういうこう、裏の(笑)

アツシ 
 そうっすね(笑)
 舞台裏、聞けて、なんかこう、モヤモヤがすっきりしたというか。

 

シャッチョ
 なんでだろうって思うよねぇ。

 

リョウコさん
 裏のモヤモヤが楽しくて、イベントやるんだもんね(笑)

 

一同
(笑)

 

アツシ
 いろいろと見えてくるんですね…。

 

リョウコさん
 準備の段階と、あと、その反省点とかって、そういうのが見えてくる。当日のこうあれはな、天気いいば結構盛り上がるんだし、 行政の方でも宣伝してくれたし、なんでそれで、いいんだけども。

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