リョウコさん
私、そのさ、わらだけだば足りないと思って、鶏買ったの。 十年ぐらい鶏、放し飼いにして、畑で。そのせいもあってすごく土はさ、肥えてるの。
シャッチョ
放し飼いって、できるもんなんですね。逃げてっちゃったりしないもんなんですか?
リョウコさん
うん、囲ってらの。でも、たまによそさ、隣の人の畑に迷い込めばその人に「この鶏食ってまうぞ!」って(笑)
一同
(笑)
リョウコさん
でも、りんごだはんでな、あの、やっぱり嫌なんだべ。何回か言われたんで「どうぞー」って。
シャッチョ
どうぞ(笑)
リョウコさん
「行くなって餌付けてるんだけど言うこと聞かないのさ」って言って(笑)
一同
(笑)
リョウコさん
その、畑さ鶏を放し飼いするっていうのが、ちょっとこう、隣の畑の人もかなり進歩的なんだけどね、そういう面では。
その頃、草取りの心配しなくてもいがったんだよね。鶏がみんな食べてくれるから雑草。ほとんど木だけ、梅、すもも、梨、そういうなんでも果物をいっぱい植えてあったから、あの上さあまり影響しないっきゃ、下なんぼ鶏遊んでても。だから今、鶏いればこの草刈りしなくてもいいのに、と思って。
シャッチョ
えぇーすごい。囲いってどうやって作るんですか?
リョウコさん
金網買ってきて、ぐるーっとこう、幸い低い場所だはんで、ぐるっとこう囲って。こっち側とこっち側、川、川っていうか、ちょっと小さい川あるから、そこはいいっきゃ。こっちの方だけこう囲って。それでもその隙間から…。
シャッチョ
脱走(笑)
リョウコさん
隣さ脱走して(笑)
三十羽とか五十羽とか買えば、必ず一つ、二つそういう、外れるのがいて。
シャッチョ
でも卵は産んでくれるし、 最後はシメて食べることになると思うんですけど。
リョウコさん
うん、おいしかった。
鶏いなくなってから、買った卵、しばらく食べられなくて、今慣れたんだけどもね。ほんとに味全然違うの。で、弘前で、あの、 料理、飲み屋さんやってる人が、ちょっと友達の旦那さんなんだけど、買いに来て、定期的にそこさ届けたりして。
でも、私はその土作りの鳥だと思って、卵、本来は副産物で、まぁ、出てくるけどもね。ただ冬大変だったの、あの雪吹く時に、餌と水と持って一日一回往復しないばだめだから。それでも、若いからなんぼでもやったんです。
アツシ
へぇぇ…。
土ってどういうものですか、良子さんにとって。
リョウコさん
土がいくないば、なんもできないし、ちょっと一時、 体の調子悪くて、健康になりたいと思って、そのためにはこう、野菜とかがもう、 果物はもちろんだし、野菜も自分で作りたいと思って。で、化学肥料とか使いたくないし、あの、薬もかけたくないし、そのためにはやっぱりこう、丈夫な野菜作らないば。そうすれば土がやっぱり、一番大事で。
あのキャベツなんかもこう、ちょうどいい成長盛りは、虫が食って穴開けてもそれがまた塞がるんだよな、野菜の力で。
一同
えぇー!
リョウコさん
すごいもんだと思って、こういうものを食べなくちゃ体は回復しないと思って、一生懸命野菜作って。で、一生懸命あの有機農業だとか無農薬野菜とかそういう本も読んで。まず私も夢中になればなんぼでもただ夜昼なしにそれ、やるから(笑)だからあのわらも、一町歩も集めて、五所川原のあっちまでもらいに行って。
んであの、農作業いっぱいあるから、雪ちょっとこう、吹雪いてきた頃になればやっとこう他の仕事から開放されて、そっからそのわら切りが始まるんですよ。あの押し切りで、そのわら全部切って、それを積んで、そして春、 春は使えないの…。ちょっと一年半ぐらいおけば今度使えるから、それをその木さでもなんでも、野菜作るのでも、使って。
なかなかあれだよ、収入につながらない仕事だよ。いいものはできるけど、大量にできないから、 自分で食べる分にはあれだけども…。
シャッチョ
冬の間とかって、リョウコさんは刺し子とかするんですか?
リョウコさん
刺し子やってパッチワークやって、毛糸も(笑)
シャッチョ
すごいやってた(笑)
リョウコさん
だいたいにして夏の間に本読んだりとか時間ないとこで、こう積んでおくんです、冬に読む予定の、それも読みたいし(笑)
雪降ってきてこう積もってくれば、「あーさっぱりした、好きなことできる」と思ってこう冬は楽しみだったの。だけども、なんも半分もやらないうちにまだ春になって。
シャッチョ
またこう積まれていく(笑)
アツシ
どんどん高く(笑)
リョウコさん
積まれていって(笑)
そういう意味では私も幸せだよね、やりたい、好きなこといっぱいあって。